「日本労働研究雑誌」の「論文Today」に寄稿しました!

この度、ご縁があり、「日本労働研究雑誌」(7月号)の「論文Today」に寄稿する機会をいただきました。

「論文Today」とは、若手研究者が、その領域の最先端かつイケてる!と思う論文を選定し、内容を要約して紹介するというコーナーです。(一定期間を過ぎた論文はWEB上で無料公開されてます。著名な先生方の若手時代の寄稿も多数収録されており、それを眺めているだけでも面白いです)

日本労働研究雑誌
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/index.html

さて今回、その中で僕が取り上げたのはこちらの論文です。
Barney, J. B., Foss, N. J., & Linguist, J. (2018). The Role of Senior Management in Opportunity Formation: Direct Involvement or Reactive Selection?. Strategic Management Journal.

この論文が投げかける問いは、「大企業の部長層って、新規事業にどう関わればよいの?」というもの。
「一歩引いて若手メンバーに任せるべき?」”reactive selection view”)、それとも「腕をまくって自ら積極的に関わった方が良い?」”direct involvement view”
・・・答えが気になりませんか?気になる方はぜひ本誌をお読みください笑!

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余談ですが、この論文の筆頭著者は、ジェイ・B・バーニーというアメリカの経営学者です。経営学に少しでも触れたことのある方は聞き覚えがあるかもしれません。企業の競争優位の源泉は外部環境ではなく企業内部の経営資源にある、という考え方(RBV:リソース・ベースド・ビュー)を提唱したことで知られる経営学のスーパースターです。

今回、数ある優れた論文の中からこの論文を取り上げた理由の一つに、この著者の姿勢に感銘を受けた、という個人的な動機があります。というのも、このバーニー先生、今年でなんと64歳なんだそうです(「RBV」を世に打ち出したのは今から27年前の話…)

この著者が、なぜ、いま大企業の新規事業創出における上級管理職の役割を研究対象とするのか。
言い換えれば、いま「新規事業」というテーマを通して、「大企業の上級管理職」に何を訴えかけようとしているのか。

ーーいくつになっても変わらぬ情熱で研究を続け、トップジャーナルに挑み続ける自らの姿勢に、その答えが隠されているような気がしてなりません(というのは深読みしすぎな気もしますが笑、本誌では書けなかった個人的な思いをここに吐き出しておきます)

・・・さて、次は原著論文の著者として、「日本労働研究雑誌」に再び登場できるように頑張ります。