『またね家族』(松居大悟著)

読んだ小説をここまで誰かに伝えたいって衝動に駆られたの、いつ以来だろう。

小説ほど人によって好き嫌いがハッキリ分かれる作品もなかなかないと思ってる。たとえ自分が心の中で大絶賛してる小説であっても、身近な誰かがそれを酷評してるなんてことは日常茶飯事だ。それだけに、小説の好みやオススメの一冊を誰かに紹介するというのはどうも気が引けてならない。まるで、自分のセンスを他者から品評されているような気がするからだ。ただ自分の自意識を守りたいだけなのかもしれないが。

でも、この作品は違った。
不思議とそういう自意識からくる気恥ずかしさや抵抗といったものが一切なく、読み終えた後、もっと多くの人に読まれると良いなと素直に思える作品だった。

それだけ面白かった。突き抜けるほど面白かった。

ガツーンとこころを揺さぶられる物語に出会ったとき、慌ててメモ帳を取り出して何かを書き残そうとするも、自分の持ちうる言葉ではその衝動を表現しきれないと感じたときのあのやるせなさ。結局、何も書けずにメモ帳をそっと閉じてしまう時のあの無力感。いや敗北感。感情にあまりにも素直な涙腺と、その感情を素直に綴れるほどのボキャブラリーを持ち合わせていない自分への苛立ち。。

・・・そんな36歳のオッサンでもこじれた読後感に包まれる、久々の衝撃的小説。

連日のリモートワークで、ちょっとこころがパサついてたのかもしれないな笑。そんな僕のこころを潤してくれるには十分すぎる一冊だった。そういえば実家の親は元気にしてるかな・・・。

というわけで、ダントツおすすめ!!!