RESEARCH PROJECT

研究テーマ

経営学と学習論を架橋した学際的見地から、人・チーム・事業の成長を実証的に探究する研究に取り組んでいる。特に、非連続的・再構築的な学習(アンラーニング・変容的学習など)の探究に関心がある。すべての研究プロジェクトにおいて、学術的な貢献だけでなく、社会的・実務的にも有用な実践的知識《deliverable knowledge》の創出を目指した応用研究を志向している。

 

現在取り組んでいる研究プロジェクト


(1)新規事業を通じた経営人材育成に関する研究プロジェクト

新規事業の立ち上げに伴う様々な修羅場経験を通じて、経営人材候補である中堅管理職(ミドルマネジャー)は何をどのように学ぶのか。また、新規事業創出経験を通じた学習を促す組織的要因・個人的要因とはどのようなものか。これまで異なる領域として位置付けられてきた「事業開発」と「人材開発」を架橋し、新たなアプローチで経営人材育成を探究する学際的な研究プロジェクト。本テーマで博士論文「新規事業における中堅管理職の経験学習:経営人材育成に対する学習論的アプローチ」を執筆し、博士号取得(学際情報学博士:東京大学)。2021年春、学術書(単著)を刊行予定。

[関連論文]
田中聡・中原淳(2017)「新規事業創出経験を通じた中堅管理職の学習に関する実証的研究」 『経営行動科学』 Vol.30 No.1 ※2019年度学会賞(研究部門奨励賞)受賞
田中聡・中原淳(2018)「中堅管理職における新規事業早出経験者の学習促進要因」 『日本労務学会誌』 Vol.19 No.2

[本研究の成果]
「事業を創る人」の大研究』(田中聡・中原淳 著:クロスメディア・パブリッシング社)

[書籍連載企画]
田中聡氏 連載企画 「事業を創る人」の大研究(AUBA「TOMORUBA」)

[取材・講演記事](一部抜粋)
新規事業の担当者は損?組織に負の学習をもたらす、「死の谷」の本当の恐ろしさ(事業を創る人を創る人の集い#3 講演録)
事業を創るのはスティーブ・ジョブズのような人ではない研究からわかった「事業を創る人」の3つの特徴(事業を創る人を創る人の集い#3 講演録)

優秀なプレーヤーが、優れた経営者になれるわけじゃない  (日経ビジネス 北野唯我氏 対談)
上から目線で評価するのではなく、トップが自分で新規事業を立ち上げよ (日経ビジネス 北野唯我氏 対談)
原因は会社にあった、「働かないおじさん」が量産されるワケ (日経ビジネス 北野唯我氏 対談)

『事業を創る人の大研究』の著者が語る、新規事業担当者が陥りやすい4つのジレンマと、その先の成長とは?
(「前編」はこちら/「後編」はこちら)(AUBA「TOMORUBA」)
大きな学びをもたらす「挑戦」をエンパワーする方法とは?(あしたのコミュニティーラボ)
なぜ新規事業人材は、社内で育成できないのか(ダイレクト・ソーシング・ジャーナル)
うちの新規事業がイケてない!その理由は「事業を創る人」を創るはずの“組織の中”にあった(OneHR)

[寄稿]
「うちにはイノベーターがいない」と嘆く前に考えたいこと(労政時報)

 

(2)若手人材の学びと成長に関する研究プロジェクト

株式会社マイナビ・東京大学 山内祐平研究室との共同研究プロジェクト。労働力人口が今後も減少し続けるなか、若年労働者の早期戦力化(swift socialization)を求める社会的・経営的ニーズが高まっている。では、20代の若手社員とは一体どのような特徴を持つのか。また、若手社員が職場での仕事経験を通じて学び、躍進する学習メカニズムとはどのようなものか。これらの研究課題に対して、教育工学・認知心理学・経営学習論など様々なバックグラウンドを持つ共同研究者たちが定量的・定性的な調査を実施し、効果的な支援のあり方を提言する。本プロジェクトの知見をまとめた書籍が慶應義塾大学出版会より刊行予定(2021年秋ごろ)。

(3)インクルーシブ・リーダーに関する研究プロジェクト

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社との共同研究プロジェクト。人材不足が深刻化するなか、職場をマネジメントする上司にはメンバー一人ひとりの才能(talent)を開花させ、個人の多様性を組織力へとつなげるインクルーシブなリーダーシップの発揮が期待されている。本プロジェクトでは、定性的・定量的調査を通じて、インクルーシブ・リーダーのマネジメント行動やその規定要因を明らかにし、インクルーシブ・リーダーの育成・輩出に資する実践的な示唆をもたらす。

(4)チームワークに関する研究プロジェクト

立教大学 経営学部 中原淳教授・株式会社日本能率協会マネジメントセンターとの共同研究プロジェクト。個人と組織の中間領域である「チーム」(共通の目標を達成するために、適応的な相互作用を交わす相互依存的な社会集団)に焦点を当て、データと理論をもとにチームとプロジェクトを前に動かす技術「チームワーク」の要諦を解き明かす。チームワークにまつわる既存の定説をデータで検証し、チームの効果性を高める真の要因を紐解いていく。本プロジェクトはJMAMより書籍化が決定。

(5)大学初年次リーダーシップ教育の効果性に関する研究プロジェクト

2018年4月、立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラム(通称BLP)内にデータアナリティクスラボを新設。BLPを受講する経営学部生のデータを縦断的に収集・調査・分析することでリーダーシップ教育の効果性を可視化し、教育の継続的な改善を図っていく。さらに、リーダーシップ教育に関する先進的な国内研究拠点として、リーダーシップ研究の推進や各種メディアを通じた研究知見の発信を積極的に展開していく。
(公益財団法人 電通育英会の研究支援によるプロジェクト)

[活動記事]
田中聡(2020)「BLPオンライン授業による教育効果」立教経営BLPカンファレンス講演資料
2020年度経営学部新入生および新2年次生を対象としたオンライン授業に関する学生意識調査(立教大学プレスリリース)
開催報告:立教BLPカンファレンス2019 新しい教育手法の評価とデータを活かした授業づくり(立教大学経営学部ウェブサイト)

 

過去に取り組んだ研究プロジェクト


■ミドルからの躍進を探究するプロジェクト


国内大手製造業3社と法政大学大学院石山研究室との共同研究プロジェクト。4,700名を対象にした定量調査を通じて、40歳以降の働き方や就業意識の実態を明らかにするとともに、ミドル・シニア人材の躍進を促進する要因を分析し、課題解決に資する施策を検討・開発。

[関連論文]
田中聡・石山恒貴(2020)「職場の人間関係が中高年正社員の職務パフォーマンスに与える影響:居場所役割感の媒介効果に着目して」『人材育成研究』Vol.15 No.1

[取材・講演記事](一部)
労働力不足を乗り越え、人材の活性化を実現「ミドル・シニアの躍進」を実現するために人事が行うべきこととは(「日本の人事部」キーパーソンが語る人と組織)

[執筆コラム]
第1回:「働かないオジサン」は本当か?データで見る、ミドル・シニアの躍進の実態
第2回:躍進するミドル・シニアに共通する5つの行動特性
第3回:ミドル・シニア層の約4割を占める「伸び悩みタイプ」とは? 
第4回:40~60代のミドル・シニアを部下に持つ年下上司に求められる『年齢逆転マネジメント』のヒント
第5回:50代からではもう遅い?40代から始めるキャリア支援のススメ
第6回:ベールに覆われた『役職定年制度』の運用実態とその功罪
第7回:数年後に迫った大量定年予備軍とどう向き合う?『定年後再雇用』の躍進を見据えた備えと支え

[関連書籍]

 

■アルバイト・パートの戦力確保(採用・定着・育成力強化)プロジェクト

「サービス業における深刻な労働力不足」を背景に、サービス業大手7社8ブランドの協力を得て、アルバイト・パートの採用・定着を促す面接・職場マネジメントのあり方を科学した東京大学中原淳研究室との共同研究プロジェクト。一般求職者・現職者(スタッフ・面接官・店長マネジャー)・離職者を対象にした約25,000名の調査データから明らかになった面接・職場マネジメント上の課題を解決する施策を検討・開発。

【書籍】

■介護人材の成長とキャリアに関するプロジェクト

「介護業界の雇用競争力強化」を目的とし、ベネッセ シニア・介護研究所社と共同して「介護人材の成長とキャリア」を科学する研究プロジェクト。介護施設への訪問調査、および現職者・離職者に対する大規模定量調査を通じて、介護業界が「働く個人から選ばれる業界」へと進化するために今何が必要なのかを明らかにしていきます。
本プロジェクトの研究結果は、論文や書籍、フォーラムイベント等を通じて発表するほか、パーソル総合研究所のWebサイト公式Facebookページでも随時公開予定。
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■その他の担当プロジェクト(一例)

労働市場の将来推計プロジェクト

[執筆コラム]
2025年、583万人の人手不足という衝撃(「労働市場の今とこれから」第1回)
全社員型タレントマネジメントという考え方(「労働市場の今とこれから」第7回)
生産性向上の鍵を握るミドル・シニアの躍進(「労働市場の今とこれから」第8回)