EYストラテジー・アンド・コンサルティング社との共同研究プロジェクト。研究成果は2024年夏から秋にかけて一般公開予定。
現在、企業は深刻な「管理職のなり手不足」に直面している。次世代を担うミレニアル世代やZ世代の管理職志向が低下しており、管理職への魅力が減退している。管理職は働き方改革の推進や心理的安全性の確保など、メンバーへの配慮が求められる一方で、経営環境の不確実性が増す中、成果へのプレッシャーが強まっている。さらに、専門職の重用が進み、管理職と非管理職の賃金格差が狭まったことで、管理職としてのプレミアム感が薄れている。
本研究プロジェクトでは、定性・定量調査を通じて、若手ビジネスパーソンが管理職を志向するための要素を明らかにし、実践的かつ効果的な打ち手を解明することである。従来の管理職候補の意識改革や負担軽減、能力向上、処遇アップといった直接的なアプローチだけでは、若手を管理職に誘引することが難しくなっている。そこで、管理職のポジションにスポットライトを当て、次代を担う若手人材が管理職に抱く”憧憬”を一つのキーワードとして、憧れに影響を与える要素を探究する。
ビジネス環境が急速に変化する中、経営層と現場をつなぎ、ビジネスを牽引する管理職のなり手不足の解消は、企業にとって最優先の課題である。特にZ世代が20代後半を迎え、労働力としての重要性が増す中、Z世代を管理職に誘引することは日本社会全体にとっても喫緊の課題である。このプロジェクトを通じて、企業が新しい時代の管理職を育成し、未来のビジネスリーダーを輩出するための重要な一歩を踏み出す支援を手掛けたい。