「あの人はどの部門を任せても高い成果を出すよね」と言われるマネジャーの特性に迫る:EY社との共同研究プロジェクト

 担当する部門が変わっても、早期にメンバーの信頼を得て、短期間でチームの成果を最大化できるマネジャーとそうではないマネジャーの違いは一体どこにあるのか。そんな問題意識のもと、この夏からEYストラテジー・アンド・コンサルティング社とマネジャーのトランジション行動を明らかにする共同研究プロジェクトを進めています。

 ここ数年で職場マネジメントの難易度は格段に上がっています。そうした背景もあって、管理職を志望する若手社員がますます減少する中、マネジメント職のプロとして様々な部門・チームをトランジションできるマネジャーの存在はますます貴重になっています。
 
 そこで、今回の共同研究プロジェクトでは、「あの人はどの部門を任せても高い成果を出すよね」と一目置かれるリーダーに注目し、彼らに共通するトランジション行動(スムーズに役割移行できる行動特性)を明らかにしようという試みです。着任間もない組織の立て直しや新組織の立ち上げにご苦労されている管理職の皆さんはもちろん、管理職のオンボーディングを支える上司(経営層)や人事部門にも示唆のある知見をお届けできればと思っています。
 
 また、「管理職」というと、どうも負の側面に目が向けられ、「変化に対応できない」「いつも疲れている」などと批判の目を向けられがちですが、今回のプロジェクトを通じて、マネジメントという仕事の奥深さや醍醐味といったポジティブな一面にも言及し、将来マネジメントのプロを目指したいという若手社員や学生が増えることも目指してます。
 
 このプロジェクトには、EY社よりパートナーの鵜澤慎一郎さん、シニアマネジャーの桑原由紀子さんを中心に、高橋達磨さん、豊田康宏さん、栗山誠さん、小沼和弘さん、鈴木将也さん、ソンスヨンさんらがジョインし、隔週ペースで知的に愉快なディスカッションを重ねています。何より総勢8名ものコンサルタントをこの超実験的な研究プロジェクトにアサインできるEYさんの懐の広さがすごいですね。みなさんとご一緒させていただき、短期的な成果はあえて求めず、長い目で社会に意味のある取り組みをするんだという意思を毎回の議論から強く感じ、学びと刺激をいただいてます(おそらく僕が一番「顧客」や「その後の展開」の話をしている気がします笑)。
 
 プロジェクトは、すでに各社の人事が推奨する敏腕マネジャー10名以上に対するインタビュー調査を終え、仮説設計のフェーズもクリアしました。これからいよいよ本調査の実施です。研究成果のお披露目までまだ道のりは長そうですが、どうぞお楽しみに!